貴族名鑑
はにわ 殿
いつも腰に古い刀を付けている事が有名な賢者。その刀には刀身がなく、自分の魔力を刀身に変えて使うというきわめて難しいものであるが、ごく普通の刀のように使える。どんなものでも切れるというその刀だが、彼がそれで物を切ることがないのは多くの者が知っている。「私はこの刀では切れないものを切れるのです、そしてこの刀が切るのは私の弱さです」というのは彼の言葉であり、彼が切ったとされるものは、長く続く戦乱の世の中であったり、人々を苦しめる病であったりした…人々は彼を"古代刀の賢者"と呼ぶ。
みーせ 殿
月の化身と言われる「白の鳳凰」を守護に持つ魔導師。その魔力は常に白くまばゆい光に包まれていて悪しき者達を一瞬で焼き払うという。その生い立ちや出身地などは一切不明。ただいつも首からひもに通した白く輝く美しい鈴は有名である。一説にはその鈴こそ白の鳳凰の化身であり、つねに魔導師を守っているという。魔法が発動するときには周りに鈴の音のような音が響くという。人々からは"白の鳳凰使い"と呼ばれている。
みっ 殿
小さいが古い歴史を持つ国の王族として生まれ、悪しき力を取り除くという月章樹の側の部屋で生まれたことから"月章樹の姫君"と呼ばれる。月章樹は月の光を集めて育つと言われる植物で現存する本数はきわめて少ない。常にその月章樹の側にいたためか、彼女のそばにはどんな魔物の近寄る事が出来ず、今ではその能力を生かして人々を救っている。
まき 殿
複雑な文様を描くことで魔力を発動させる魔法陣を操るが、もっとも得意とするのは魔法陣を使って人々の運命を占う事という魔術師。人々の良き相談相手であり、特に女性からは絶大な人気を誇る。彼女の描く魔法陣はそのまま悪霊や悪しき魔力を防ぐ力を持っているため、幼い子供のために母親が購入することも多いという。人々は彼女を"神聖紋様師"と呼び慕っている。
紫苑 殿
太古の洞窟に封印されていた「時の連環」を解き、失われた魔術を現代に蘇らせた伝説の魔導師。彼にとって時間とは、歩いて行き来できる道に等しく、それ故多くの時代へ自由に行き来できるという。おそろしく複雑な時の魔法を操ることから"時の魔術師"と呼ばれている。彼の左腕には美しい装飾が施された腕輪があり、それこそが魔術を封じ込めた「時の連環」である。津波に飲み込まれようとした都市一つを丸ごと未来に移動させ、人々の命を救った話は伝説として語られている。
す〜びえ 殿
大陸の北西部、深く覆われた森を抜けると突然眼前に現れる白い古城。廃墟にも見えるその古城には病的だが端正な顔立ちの領主が住んでいる。彼が周辺を統治している事、また昼間は一切姿を見せない事以外は謎に包まれている存在である。土地の者達は彼を、畏敬と恐怖の念を込めて「白亜の吸血伯」と呼んでいる。この地方では新月の夜に行方不明者が後を絶たないという…
(著作:す〜びえ伯)
てら 殿
「大地は人々を生み、育て、そして死によって帰る場所である」として並々ならぬ情熱で精巧な地図を作り上げた人物。彼の地図は土地を記すだけでなく、大地の力が流れる竜脈や霊が集まりやすい霊場なども記されているものがあり、商人だけでなく魔術師や召喚師までもがこぞって手に入れている。「地図は世界を描く物、そこから見えるのは土地だけでなく、人も思想も多くの物を見ることが出来る」…人々は彼を"千里眼の記録者"と呼ぶ。
エア 殿
王国の来たにある山岳地帯、そこを自由に飛び回る翼竜を操る竜使いとして知られている。もともと絶滅寸前だった翼竜を保護し、それを自由に操るまでには相当な苦労を体験している。しかし今では、空を飛ぶ竜の翼が夕日にきらめく様子は北の山岳地帯ではなじみの者となっている。特に一番体格が大きく、身体が大きな竜はうろこが虹色に輝くことで有名であり、それは最初の竜使いである彼の竜であった。人々は彼を"虹の竜使い"と呼ぶ。
ピーコヤスヒロ 殿
その名を大陸中に轟かす芸術家。人々からは"概念の記録者"と呼ばれる。抽象絵画を得意とし、目に見えない喜び、悲しみ、静寂などをキャンバスに描き出す。「目からなにを得る?私たちはもっと多くのことを感じ取っているはずだ。視覚は我々の一つの情報でしかない」という王立芸術院での特別講義は芸術界に大きな衝撃を与えることとなった。
LILY 殿
七色に輝くという地底湖にある神殿は、異世界へと通じる特別な門だと言われている、200年に一度その神殿のもっとも奥にある扉が開けられるとそこにはいつも薄い透明な羽を持つ妖精がいると言われている。そしてつい数年前に見つかった妖精が彼女であったが、記憶は一切なく、今は王国にある風の神殿で暮らしているという。いつもは羽を隠し普通の少女として暮らしているが、月の美しい夜は一番高い塔の屋根に飛び、じっとそれを見つめているのが目撃されている。水を自由に操る彼女が"水の異世界人"を意味する古代語「FAWNARLT(ファウナー;綴りは現在では消失した言語なので独特のものになっている)」の名前で呼ばれている事に気が付いているのは一部の賢者と神殿の高位にある者だけである。
貴族名鑑編纂院
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