貴族名鑑







なむ 殿

守護星の「青い月」の紋章を持つ名門出身。古い家柄だが、謎に満ちたその系譜のために王国の表舞台に出ることはまずない。それは守護星の「青い月」の性格であるとも噂されているが真相は誰にも解らない。数々の歴史において彼ら一族の与えた影響は計り知れないが、表舞台に出ることは極めてまれである。一族の当主は代々受け継がれる青い宝石を胸につけていることから、人々からは"青い月の王"と呼ばれる。近寄りがたい存在感から近づくものはみな畏怖を覚える。

あけ 殿

王国の北にあるという小さな森にはひとつの伝説がある。世の中がどんなにつらく悲しい災難に見舞われても、人々が希望を捨てない限り決して枯れない花「銀のすみれ」があるという。「銀のすみれ」に載る朝露にはどんな病も直してしまうという治癒力が宿るというが、その花はとても小さく見つけることは出来ないと言われていた。もっとも新しい歴史を調べても二〇〇年以上も昔に見つかっただけであり、今では誰も信じるものはいなかった。そんな中で、ずっとその伝説を信じ、探し続けて見つけた人物がいた。その人物こそ膨大な歴史と伝説を付き合わせ、伝説といわれた伝説の花を見つけだす事に成功したのである。そしてその功績により王立文書館主席研究員および王立植物医療研究所所長につくことになり、さらはその「銀のすみれ」の研究により、医療が大きく発達し「伯爵」の位を得ることになる。それ故人々は"銀華の伯爵"と呼ぶ。「希望を失わない限りどんなに困難な道でも必ず目的地にたどり着ける」は王立植物医療研究所の門に掲げられた有名な言葉である。

RVD 殿

王国の山岳地帯の小さな谷、そこには巨石があり古い昔の言葉で魔法が封印されていた。人々はそこには近づく事はなく、一〇〇〇年近くも魔法は封印されたままだった。しかし、近くの村の少年が川で遊んでいて流され、不思議な力によって助けられた。彼が気がつくと、目の前には「白い狼」が座っており、古い彼の地方の言葉を話した。狼と話すうちに少年は狼の孤独を敏感に感じとり、以後、度々狼に会いに来た。狼は少年とうち解け古い昔の言葉を教えたり魔法を教えることになる。ある日、少年は狼からひとつの事実を知らされる事になる。封印から一〇〇〇年立つと、封印された魔法が解かれ、辺り一帯を消滅させてしまうということだった。狼は、封印を施した魔法使いの心が実体化したものであり、一〇〇〇年ずっと封印を守ってきたという。一〇〇〇年目を迎える日、少年は巨石の前に狼と共に立ち、再度魔力を封印する事に成功する。狼は力を失って倒れるが、少年は必死に看病して助けてしまう。以後白い狼は少年の村に迎えられ、守り神として暮らすことになり、少年は狼に魔法を教えられ、その力により数々の町を救っていった。後に彼は"白き狼の魔術者"としてたたえられ人々から広く敬われた魔法使いである。

あき 殿

王国の西一体を統治するのが、代々不思議な金色に輝く宝石を受け継ぐ一族である。彼らの持つ宝石は「太陽石」と言われ、遠い遠い昔、かつて太陽と月が自分の力をぶつけて、どちらが昼間の世界を支配するかと争った時に、月が放った矢が太陽に刺さり、その時に欠けた破片が地上に落ちたものとされる。そのためその宝石には太陽の力が宿り、炎を操ったり、嵐を遠ざけたりする事が出来ると噂される。ただ、その力はあまりにも巨大なため扱うことがむずかしく、扱う者はつねに心を穏やかにしておかなければならないと言われている。その一族を統治するのは代々女性であり"太陽石の姫君"と言われ、遠くの国々からも尊敬されている。数々の異常気象に見舞われた時にも彼女の統治する地域は常に穏やかであるため、「姫君の微笑みは神々の怒りを静める」とさえ言われるほどである。また彼女の恩恵を得られる土地は豊かな大地の恵みがもたらされるため、彼女の力は経済的にも非常に大きなものであり、一部の商人達にはとても恐れられている。

ひでぽん 殿

山深い小さな村に居を構える伝説の武道家。特に長い刀を使わせたら右に出る者はいないと人々は噂する。もともとは大きな町で千人の弟子達に囲まれていたが、ある時自分を見つめ直すと弟子達に言い残して現在の村に来た。もともと山賊達に荒らされて困っていたが、その山賊達をあっという間に倒しただけでなく、改心させて村のために働かせている事から村人の尊敬を集めている。村長にという話もあったが「わたくしのような者は政治には向きません。わたくしには武道で人に道を教えることのほうが向いています」と断った話は有名である。「人は力におぼれる事がある。力を求めるには強い心を求めることを最初にするべきである」とは彼の有名な言葉である。彼の刀が紫色の帯が巻かれていることから人々は"紫刀の武道家"と呼んでいる。

カラス 殿

王国の南に位置する一族には、代々その家を守るという鳥を崇拝する教えがある。なかでも守護鳥として漆黒のカラスを崇拝する家は古くから名門として知られている。特に、古代魔法の扱いにおいては王国でも屈指であり、当主となるべき者は常に厳しい自己鍛錬が義務として与えられている。古代魔法のなかにはすでに現代では使われなくなった古い詠唱法が取り入れられているものもあり、複数の魔法を同時に発動するという彼ら以外には誰にも行うことが出来ないものもある。人々はその強大な魔力を扱う事とそれを正当に使用するという当主に対して尊敬を込め"漆黒の魔王"と呼んでいる。

貴族名鑑編纂院

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