仔猫ダヤンがやってきた



 実家に仔猫がやってきました。
 名前はダヤン。オスで、1998年5月中旬に青森県八戸市のスーパーセブンのあるガレージで生まれました。勘の良い人はすぐに判ると思いますが、スーパーセブンと猫は深い結びつきがあります。猫はスーパーセブンのトノカバーが大好き、しかも 、ボディカバーなんかされていると、猫にとっては最高の隠れ家になります。そんな事があってなのか、ダヤン君の母猫は、八戸のセブン仲間のガレージに入り込み、セブンの側で(一説によるとセブンの上で産まなかったのは猫の良心だろうといわれています)ダヤン君を産んでしまったんです。心優しいその仲間は、彼女とともにダヤン君(とその兄弟)を育て、貰い手を探す事となりました。
 ちょうどその頃、実家の猫が亡くなってしまいました。野良出身で名前はトラコ、私の母に拾われて家猫になったという猫でした。穏やかな性格の猫で家族から可愛がられていた猫でしたが、寄る年波には勝てず天寿をまっとうしました。野良出身とはいえ6年間も家族と一緒だったため、トラコのいなくなった家はずっしりと重苦しい雰囲気に包まれてしまったんです。
 実家に帰ると、もう、暗くてどうしようもありません。あまりにも暗いんで、そのセブンの仲間に連絡して、仔猫を譲ってもらうことになりました。最初は私だけで受け取りに行こうと思ったんですけど、いつのまにか、両親も行きたいと言い出して……結局八戸へは三人で迎えに行くことになりました。
 前々日にはペットショップをやっている親戚に電話して、猫に負担のかからない移動方法を教えてもらい、さらには仔猫には油分でお腹を壊すので絶対に牛乳を与えてはいけないという注意を受けました。八戸行きの前日には、ダヤン君の移動のためのダンボールを作ることになりましたが、これがもう、なんだかんだと大騒ぎです。
 ダンボールは、中で猫が向きを変えられるぐらいの余裕はあるものの、決して大きすぎないものを選びます。大きな物では体が動いてしまうので、乗り物酔いを起こしてしまいます。さらに箱の中を暗くしておけば猫は動かずにじっとしてしまうので、体力の消耗も防げます。
 ところが、まず箱の大きさでもめるし、空気穴の開け方でもめるし、中に敷き詰める新聞紙を指でちぎったもの(はさみを使わないので肌触りがよくなる)の大きさでもめるし、大変でした。
 特に、母なんか「ダヤンクン」とか箱にマジックで書いてしまうほどの入れ込み様です。
 さて、それで7時半頃に実家を出て12時ごろには八戸に到着、挨拶もそこそこ、すぐさまダヤン君をもらって箱に入れて東北道を南下し、夜の6時頃には実家についていました。
 ダヤン君は、途中に箱の中でニャーニャー鳴く事はあっても、体調を崩すこともなく、無事に実家に到着しました。(一応クーラーは弱めにして移動しました)
 セブン仲間には、移動にあたってダヤン君が車に酔って吐いたりしない様に、朝食を食べさせないでくれと頼んでいたので、家に着くとすぐにご飯を食べさせました。家の廊下の片隅に、ダンボールでダヤン君の家(ハウスとかホームとか呼んでます)を作り、そこに水とキャットフードを置きました。(翌日には、ちゃんと砂を入れたトイレに用を済ませるようになり、躾もものすごく楽でした八戸できちんとした教育を受けていたようです)
 そこでダヤン君の食事です。ダヤン君、八戸で食べていたキャットフードと違うためなのか、最初はちょっと戸惑っていましたが、すぐにウニャウニャいいながら食べました。
 元気な様子に、みんなほっと一安心しましたが・・・ダヤン君はお腹が膨れるとすぐにダンボールを飛び出し、家の中を探検し始めました。

(写真:お気に入りのオモチャ、栄養ドリンクのキャップで遊ぶ)

 もう、せわしないったらありゃしない。見るものがなんでも珍しくて、歩き回っては匂いをかんだりしていました。なにもかもが珍しいダヤン君は、常に歩き回っています。
 一つところに居るなんてことはありません。猫というと日だまりでゴロゴロしているなんてイメージがありましたが、ダヤン君は違います。「ああもう、少しはじっとしてくれぇ!」って思うぐらいツッタカツッタカ家の中を歩き回っています。
 しかも、遊びたい盛りなんで、いつまでも遊びます。
 帯にじゃれたり、縫いぐるみと戦ったりして夜中まで遊んでもらった翌日、疲れ果てて、ずっと居眠りしているなんて事もあります。
 ご飯を食べていた父の肩に登ったのは良いものの、そこから降りられなくなってニャーニャー鳴いていたダヤン君も、ひと月もするとカーテンをよじ登りレール部分まで到達して降りてこれるようになりました。

 狩りの腕もあがったようです。
 最初の頃は物にじゃれるときには、後ろ足で立ち上がって飛び掛かるというワンパターンな攻撃でしたが、しらんぷりして攻撃するフェイントや、物陰から突進してくる奇襲などバリエーションが増えました。
 もっとも、とても甘えんぼで、遊んでもらえないと家族に噛み付いて「遊んでくれー」と催促をします。しかも、夜中に人の布団に入り込み、腕にじゃれているうちにテンションが上がり、思わず噛み付いてしまい、家族が落ち着いて眠れないというのも日常茶飯事ですが……
 あまりにもうるさいので嫌われるかというと、そんな事はありません。ダヤン君は、家族が帰ってくるとちゃんと玄関でお出迎えをしてくれます。玄関に入ると、物陰からツッタカツッタカやってきたダヤン君がお出迎えに来て、にゃーん、とか鳴かれるともう、可愛くてしょうがないです。
 ただし、真っ暗闇でこれをやられるとこっちがびっくりして、さらに、びっくりした私にダヤン君もびっくりするって事もありますけど……

 それにしても本当に、ダヤン君は元気です。
 蛍光燈の紐に括り付けられた浴衣の紐にじゃれて、祖母の部屋を真っ暗にすることは珍しくありません。
 それと狭いところが大好きです。
 仏壇や食器棚の後ろに入り込んだり、わざわざものが乱雑に置かれている棚の上を歩いたり。それと、ダヤン君は物をめくるのが好きです。
 人が座っていると、足と床の間に何かあると思うのか、前足を突っ込もうとするし(悲しいことに実家では、あちこちに乱雑に物が置かれていて、結構ダヤン君は何かを探し出してしまうんです。だからこの習性が身に付いたのかも……)、布団が敷かれているとその下に潜り込もうとします。
 また、可愛いところもあって、お客さんが来ると自分のホームで大人しくしていたりと手間がかからないので、うっとうしく思われる割には家族からの絶大な支持を得ています。
 夜中までダヤン君と遊ぶと、さすがにダヤン君も疲れてきます。ちょっとした間に、うとうとと居眠りをしてしまうんですけど、ついつい、目の前で縫いぐるみが動いていたりすると、戦いを挑んでしまいます。
 そう、きっとやつこそ、本当のファイターです。
 しかしその翌日は、もう疲れて疲れてしょうがないって状態に陥ります。

(写真:お気に入りのタオルで寝るダヤン君)

 この前も、夜中まで遊んであげた次の日には、私のところにやってきても、ちょっかいを出さずに布団に入り込んで喉をゴロゴロならして眠ってしまいましたから。また、そういう時に限って、セブンの雑誌がそばにあったりするもんで、ダヤンもつくづくスーパーセブンと切れない運命があるんだなぁなんて思ってしまいます。

(写真:大きいようでもまだまだ仔猫)

 ダヤン君は、寝ているときには体がずり落ちようがいっこうに気にしません。なんか見ていて気持ちが良いほどの眠りっぷりです。
 彼は大物になるに違いありません。
 こうして、家には小さな家族が増えました。
 彼は今でも、元気に家の中を駆け回っています。


 名前   :ダヤン(『大安(だいあん)』と間違えられる事あり)
 性別   :男
 性格   :甘えんぼでやんちゃ、好奇心旺盛
 趣味   :遊ぶ事
 好きな場所:狭いところ、暖かいところ
 傾向   :遊んでもらえるなら、長時間ぶっ通しで遊ぶ。ただし、自分の体力を越えても、そのまま遊んでしまう。そのため、翌日に疲れが残ってしまって、へとへとになることもある。遊んでもらえないと、噛付いて遊んでくれと催促する。
 怒るとトイレの時にウンコに砂を激しくかける。
 留守番していて家族が帰ってきた時には、玄関で出迎えてくれる。
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