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ジャガーという車はある意味、 |
【ジャガーの出すシグナル】
ちょっとした、何気ない言葉をかけられた時、人によっては「嘘くさいうわべだけの言葉」なのがわかったり、自分を理解してくれているということがわかる「重みのある言葉」になったりします。それというのも、その人の何気ない仕草や口調、息の継ぎ方などほんとうになんのことはない小さなシグナルから人は敏感に感じ取れてしまいます。
そういう「言葉」ではない、「シグナル」のようなことを生活によく使うのはやはり男性が多いように思います。
男というのは外の世界で、ほかの男達と戦うことが多いですから、なかなか素直に他の男を誉めるとか、そういうのが苦手のような気がします。でも、そういう中でも、なにげない仕草とかで、ニュアンスを伝えてそれを補っているのではないでしょうか?
もちろん、女性はそういうことに男以上に敏感な気がします。
さて、話がそれてしまいました。
ジャガーXJ−Sを手に入れてから、今月でとうとう2年経過してしまいました。
2年間XJ−Sに乗ってみると、まるで様々な人生経験を積み重ねてきた人間のように、何気ないところに現れるその「しぐさ」に驚かされることが多いのです。
ドアを閉めるとき、エンジンをかけるとき、ギアのセレクターをDレンジに入れるとき……それらがみんな統一感があって、きちんと同じ方向を見て作られていることがわかります。だからシートに座った人は落ち着くし、エンジンの振動から、室内の細かい作りまで、すべてにわたってまるで「人生経験を積んだ紳士」と向き合って対話をしているような感覚になります。よくジャガーは「若造よりも老紳士が似合う」ということが言われたりしますが、それらはジャガーの細部にわたってまで貫かれている統一感によるものなのだろうと考えられます。
良い、悪いは別にして、作り手が自分の思いを込めて、まっすぐに一本「筋」の通ったものを作れば、それを目の当たりにした人にその「モノ」は必ず訴えかけるようになります。みんなで寄って集ってワイワイと妥協しながら作り上げたものに、これは存在しません。
「筋を通す」…今じゃなかなかそんな言葉を使う人もいなくなってしまいましたけど、すごく大切なことだと思います。
乗り手に媚びようと、あれこれ装備をつけてみたけど、結局筋の通っていない車はどこかちぐはぐで、乗り手が運転に飽きたり、つらく感じるだけ、最初は良くても長く一緒にいることなんか出来ないと思います。たとえるなら、外見はかっこいいのに中身がない人間のような感じです。
言ってしまえば、XJ−Sは年寄りくさい車なのかもしれません。でも、そこには一本筋が通っていて、それに関わった人間がまっすぐに生きていけそうな気がします。